はじめに
パソコンはいまや、仕事にもプライベートにもなくてはならないツールのひとつです。仕事の大事なデータやプライベートの思い出の写真など、消えてしまっては泣くに泣けない個人や企業の宝箱のような存在です。
そんな大切なデータを守るため、セキュリティーには特に気を付けて対策している人は多いと思います。というよりパソコンを手に入れたら有料無料問わずとりあえず初めにすることだと思います。
このように外部からのウイルスなどの攻撃に備えて守りを固める一方、ちょっとした操作ミス、ハードディスクやSDカードなど記録媒体の寿命によりデータが失われてしまうリスクに対して手を打っている人はどれくらいいるでしょうか?
そう!脅威は外からやってくるばかりではないのですw
大切なデータを守るのは、セキュリティーとデータのバックアップをセットで考えておかなければならないと思います。
ではそのバックアップツールは何を選べばいいのかとか、急に言われてもわかりませんよね?そこで、選択肢の一つとして「AOMEI Backupper」を紹介したいと思います。
AOMEI Backuper
紹介の前に言ってしまうと、ある日開発メーカーのAOMEI Technologyさんから1通のメールをいただきました。
それはこのソフトを紹介してほしいというものでした。
まだまだメイン記事の定まらないような雑記ブログでこんな話が来るとは思っていなかったので驚きましたが、素人レビューでいいということでせっかくなのでネタのひとつとして使った感想を書いていこうと思います。
うっすら興味のある方はどうぞゆっくりしていってくださいww
AOMEI Technology
まずはどういう会社なのか知らないといけません。
まず、会社は2010年にシンガポールで設立されたようです。会社概要を読んでいくと微妙に日本語に違和感を感じるところがありますが、おおむね理解できホームページもわりと見やすいです。ホームページは2つあるような感じですね。
顧客のデータを守ることを保険になぞらえて、10年以上の蓄積によって得た経験で復旧にはかなりの自信を持っているようです。
アメリカ、ドイツ、日本、カナダ、イギリス、オーストラリア、フランス、イタリアなど、180ヵ国以上の国と地域に顧客が存在し、企業は、パナソニックやマイクロソフト、コストコ、マクドナルド、サムスン、DELLなどの大手も利用しているようです。
AOMEI Backupper
まず使用した感想ですが、むずかしい操作は無く利用したい項目を選んで案内に従って進んでいくだけの簡単作業です。
機能は、
- バックアップ
- 同期
- 復元
- クローン
大きく分けてこの4つのことができます。
それぞれ細かく設定することもできますが、デフォルトでも特に困ることは無いんじゃないかと思います。
なかでも「同期」は個人的にバックアップツールとしてはけっこう便利だと思ってます。
例えば1つのフォルダをバックアップしたとき、そのバックアップデータは当然バックアップしたときの状態で保存されます。元のデータを変更したりファイルを追加、削除をしたら新たにバックアップを取る必要があります。
それが同期の機能を使うと、元のデータとバックアップデータは同期されているのでその変更が反映されます。
感覚としては、パソコンとスマホを同期するグーグルアカウントの機能のようなものですね。
ただしデフォルトの設定だと、ファイルなどの追加があれば反映されますが削除は反映されない、名前の変更をすると変更前と変更後の同じ内容のファイルが名前違いで2つになるなどの、追加方向での同期の反映になります。
その辺りは同期前の設定で変更することが可能です。
少し改良されればいいなぁと思うところは、項目の下に解説が書かれているのですが、字が薄いためそれが背景溶け込みそうで見づらいことがあります。
カーソルを置いたときに明るくなるエフェクトも気持ち目がチカチカする印象です。
フォルダ/ファイルの復元の操作画面で、ファイル一覧の順番が、バックアップしたフォルダなら名前の順に、同期したフォルダならファイルサイズ順になっています。一般的にファイルを探すときにファイルサイズ順で探すことはあまりないように思うので、名前順や作成日順など並び替えができたら便利かなと思いました。
あと写真や画像を探すときは「絵」の方が見やすいと思うので、エクスプローラーの機能のように画像イメージを出して拡大縮小で探せる機能もあれば尚良いと思いました。その時に、数が多いと小さいウインドウでは大変なので、別タブで全画面表示から確認できる機能があればいいのかなとも思いました。
グレード
このバックアップソフトには、無料版と有料版があります。
StandardとProfessionalです。僕はもちろん無料版を試しますw
無料版のインストール
AOMEIのホームページから無料版のダウンロードができます。
他のソフトをインストールするのと同じように操作を進めていきます。ここは無料版を使うのでスキップします。
ちなみに有料版には無条件の返金保証があるようです。
インストールが成功したのでソフトを開きます。深~い青色できれいな画面ですね。
機能を試す前に知ってほしいこと
AOMEI Backupperを利用している人は5000万人以上、もちろんその中には日本人も多くいるでしょう。パソコンの使い方は人それぞれ、求める機能、求める完成度もそれぞれです。そうであるなら、当然レビューにも賛否両論が生まれます。
満足している人の声はいいのですが、酷評の人はどの点に不満を持っているのでしょうか?
レビューをざっと見ていくと、クローンについての不満が目立つような気がします。
この話をもらうまでクローンというものを知らなかったのですが、まずバックアップとは必要なデータを別の場所に複写して保存しておくものですが、それに対してクローンとはパソコンのHDDやSSDが古くなり寿命を迎える前に新しいHDDに換装する、またはSSDに換装するというようなときに、システムごと引っ越しさせるときに使うものだそうです。ポイントは使っている同じパソコンに換装するということです。
そして不満点としては、引っ越しをさせるためにはまずそのクローンを作らなければならないのですが、その過程で不具合が起き正しくクローンを作れなかったばかりか元のデータをも壊してしまったというものです。
原因はクローンを作りたいソース(元データ)の一部にエラーがある、ファイルが壊れている、不良セクタがあるなどで、正常に作業が進行しない、または読めないデータの読み込みを繰り返し最悪ディスクそのものを壊してしまうというものだそうです。これらはソフトがどうのこうのというよりはクローンつくるということ自体にそういう危険があるということかもしれません。
しかし、原因がわかればリスクはどんどん減らしていくことが可能です。もしも条件もなくこれらが頻発するような欠陥ソフトであれば10年の間に5000万人もの顧客が付くはずはありませんからね。データを壊してしまった方々には声のかけようもありませんが、、、
まずは情報を十分に得て安全性と危険性を理解することが大切です。
例えばどんな高級なお肉であっても、調理の仕方が間違っていればおいしく食べることができませんし、最悪おなかも壊してしまうことにもなりかねません。
しかしどんなに力を尽くしてもうまくいかないこともあるのが人生(笑)ですが、うまくいかない時はメーカーやプロに相談しましょう!
こんな情報でも見ていただいた方の一助になれば幸いです。
対策
原因のひとつがわかったところでどうすればいいのかですが、エラーがあるからダメなのであれば、エラーを無くせばいいんですよね。
方法としては、ドライブのエラーをチェックする、デフラグの最適化を実行する、不必要なファイルは削除、クリーンアップするなどです。
例えば、Cドライブ上で右クリック、プロパティ、ツールで出てくる「チェック」と「最適化」で問題の1部を解決できる可能性があります。
しかし、そもそも一般的なユーザーが一般的な使い方をするうえではディスクが壊れる、不良セクタが発生することは可能性としてはかなり低いそうです。
病気と同じで、かかる前に予防するから予防なのであって、事が起こってから対策しては手遅れとなることもあります。体もHDDも元気なうちから対策しておきましょう!
デフラグについては、あまりに古いHDDや壊れかけのものだと最適化自体がトドメとなることもあるらしいので注意が必要です。
バックアップする
バックアップにはこれらの種類があります。
システムバックアップ
Cドライブを丸ごとバックアップするイメージでしょうか。
これをどこにバックアップするか選べます。とりあえず別のHDDにバックアップします。
操作はシステムバックアップを選んで保存先を選び開始するだけです。説明するまでもなく直感的に進めていくことができます。
もともとの容量が少なかったですが、10分かからないくらいでバックアップ完了しました。
作業が完了するとホームに結果が反映されます。ファイルごとにこのように操作もできます。
OneKey Recovery
これは有料でした。
ディスクバックアップ
外付けHDDなども選んでバックアップすることができます。
パーティションバックアップ
ディスクを領域ごとに選んでバックアップすることができます。
Cドライブの一部を選んだ時に出てくるウインドウで、「いいえ」にすると選んだところだけ、「はい」にするとCドライブごとバックアップするので、システムバックアップと同じことになります。
ファイルバックアップ
これはフォルダかファイルかを選んでバックアップします。
ホーム画面とイメージフォルダ
ホームに反映されたバックアップファイルは保存先のフォルダでも確認できます。
利用できる4つのバックアップを見てきましたが、どれも難しい操作は無く直観的にポチポチしていくだけでバックアップできます。
せっかくのレビューで詳しく書きたいのですが簡単なので書くことがあまりないですw
バックアップの設定
別記事に設定項目を紹介しました。
同期する
同期は4種類ありますが無料版で使えるのは1種類だけです。ソースディレクトリとは元のデータで、ターゲットディレクトリとはバックアップ先のデータのことです。
ベーシック同期
同期を実行するとバックアップのときのように新しいフォルダが作られます。
ソースディレクトリ(同期元)に変更があると作られたターゲットディレクトリ(同期先のフォルダ)にも反映されるようになります。バックアップとの違いは元のフォルダとの関係性ですね。
ホームで一括管理できます。
その他有料版の同期
ベーシック同期の他に3種類の同期方法があります。
リアルタイム同期、ソースの変更を常に監視し自動で同期します。
ミラー同期、、、、ソースでファイルの追加、削除、修正などの動きがあるとそれに合わせてターゲットも追随します。
双方向同期、、、、同期は基本ソースの変化をターゲットに反映させますが、こちらはターゲットの変更をソースにも反映させることができます。
ミラー同期に関してはベーシック同期でも設定で対応できそうです。
同期の設定
別記事に設定項目を紹介しました。
復元
復元は別記事にしました。
クローン
クローンにも、システム、ディスク、パーティションの種類があります。
システムクローン
システムクローンではソース(クローン元)が決まっているので、ターゲットパーティション(クローン先)だけを選択します。操作を続行すると選択したクローン先のパーティション(領域)は上書きされてしまうので大事なデータが入っている場合はバックアップとるかデータをあらかじめ移しておきましょう。
- SSD 4Kアライメントとは、クローン先がSSDの場合にチェックを入れることでSSDの読み書きが遅くならないようにするためのものです。
- セクター単位のクローンとは、セクターが空白であろうが不良であろうが関係なくソースの現状そのままの情報をクローンします。そのため使用容量が少なくても時間がかかります。
システムクローンはプロ版です。
ディスククローン
ディスククローンは、ソースのディスク内にある情報すべて、OS、パーティションやファイル、アプリからその設定までを移すことができます。新しいディスクを買った時、OSやアプリのインストールから設定までの手間を省くことができます。ここでソースディスクを選び次にターゲットディスクを選びます。
ソースディスクとターゲットディスクに(GPT)とありますが、これはパーティションの形式のことです。
形式にはMBRとGPTがあり違いはいろいろありますが、ざっくりディスクの容量が2TBを境にその形式が変わるようです。無料版ではGPTの扱いができないので、MBR同士のクローン作業しかすることはできません。
パーティションクローン
領域を選んでクローンをつくることができます。ここでソースパーティションを選び次にターゲットパーティションを選びます。
いままでと同じようにターゲットに選んだディスク内は完全に上書きされてしまうので大事なデータは避難させておきましょう。
クローンの設定
別記事に設定項目を紹介しました。
ディスク消去
クローン内にあるこの項目は、Backupper外の機能なのでAOMEIのホームページにとびます。独立した製品ですがこちらにも無料版があります。
使ってみて
全体的に使いやすいのではないかと思います。
バックアップや同期の作業中に他の作業や動画視聴をしていてもパソコンの動作には影響は少なそうです。
クローンに関しては、使っているパーティション形式がGPTなので無料版では試すことができませんが、操作はわかりやすいです。
今のところ無料版でも特に不満はありません。今回紹介してもらいたいとの話をいただいたことを差し引いても酷評するような使い心地ではなかったので、バックアップの同期機能が気に入ったからこのまま使おうと思います。