耳管開放症の治療法についてのまとめ

 

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はじめに

 

耳管開放症というのは、鼻の奥に鼓膜までつながる耳管という管というか道というかそういう空間があるのですが、通常閉じていなければならない耳管が何らかの原因によって十分に閉ざされずに開放してしまっていることを言います。

 

これによって耳管に空気が常に通り、内圧が高まることで心音や呼吸音、自声が強調されて聞こえてしまうという症状が出ます。

 

僕自身、この症状に16年ほど苦しめられていました。

 

 

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耳管開放症

症例

 

耳は本来外からの音を拾う働きがあり、鼓膜は1枚の薄い膜ですが、外側からの空気の振動を強く受けられる構造になっています。

しかし耳管が開き空気が通りやすくなると、それによって体内から伝わる空気の振動を強く受けることになってしまいます。

 

みなさんも、エレベータに乗っている時や山登りしたときに耳がおかしくなる経験は有るんじゃないかと思います。

その時に鼻をつまんでフン!っと空気を送り「耳抜き」をしませんか?その耳抜きをしている瞬間のあの感覚、それが耳管開放症では常時起こってしまいます。

 

この辛さは当事者でも正確に伝えるのがなかなか難しいんですよね。

心音や呼吸音などの体内からの音が強く聞こえてしまうのもイヤですが、そもそもそれが起こる原因の空気が通りやすくなることで耳の中を押し広げられるような不快感があります。

そうなると連動してアゴの動きが悪くなったり、自声が響くようになったりでとてもしゃべりにくくなります。症状を抑えようとして抑えられるものではありませんが、それでも少しでも楽になりたいと何とか抑えようと試みると首から肩にかけて過度に緊張して疲れるなど精神的にもなかなかきついものがあります。症状が出たままも辛いのです。

 

人によっては、空気の流入する勢いが強く鼓膜に激しい衝撃がくるようです。それに伴いめまいが起こることもあると言います。

 

とてもマイナーな症状だし、言ってみれば耳管が閉じない「だけ」なので、それによってどのようなことが起こるのか、辛さがあるのかと耳鼻科医の先生でも正確に症状を理解するのは難しいのではと思っています。

原因は耳管の開放ですが、それに伴うさまざまな症状は体内からの音が強調されるというような説明しやすいものだけではないと経験から感じているからです。

 

 

治療法

 

治療法については前回も紹介しましたが、そこで同じ症状に苦しむ方からの質問を受けまして、治療法についての情報交換をさせていただきました。僕の知らないものもあったので一緒に紹介できればと思います。

それぞれ一長一短があり効果の出方も違うようです。

 

種類としては

  • 鼓膜テープ
  • 漢方薬
  • 生理食塩水の点耳
  • 薬液注入
  • 手術

などです。

 

鼓膜テープ

 

これは、耳管が開き鼓膜が内側から押されて膨らむ鼓膜をテープを貼ることで膨らみにくくするものです。

結構お手軽で負担もほとんどないですが、一定期間でテープははがれてしまいます。効果のほどは弱めだと思います。治療法として存在する以上効果を実感される方もいるのでしょうが僕には全く効果はありませんでした。

 

不具合があればすぐさまはがしてもらえるのでリスクは無いと思います。

 

 

漢方薬

 

これは「加味帰脾湯かみきひとう」という漢方薬による治療法です。

耳管開放症は、耳管が閉じないことによって起こる症状ですが、原因として、耳管の「痩せ」がひとつあげられます。これは、肉厚が足らないということと、もうひとつ血流が悪いことで起こるものとがあります。

血流がということの証拠に、お辞儀をしたり、寝転んだり、逆立ちしたり、入浴したりと頭に血が流れやすい姿勢や状況を作ると、血流量の増加や外圧、うっ血によって症状がその間だけ治まることがあります。

 

加味帰脾湯は、貧血、不眠症、精神不安、神経症などに効果があると言われています。

虚弱体質で心身が疲れ、血色が悪い、貧血気味などからくるものであるならこれで改善するかもしれません。

 

ある日突然開放症になってしまったというとき、過度なダイエットをしていなかったか、疲れていなかったかなど思い当たることを考えましょう。妊婦さんにも起こることがあるそうです。

 

お手軽さで言うと鼓膜テープと漢方が1番ですね。

 

 

生理食塩水の点耳

 

点耳といっても外側からさすのではなく、鼻から入れた生理食塩水を耳管までうまく流し入れて耳管をふさぐというものです。これは自分でもできるし、先生に医療器具を使って処置してもらうこともできます。生理食塩水である理由は刺激がないからです。

普通の水を鼻から入れると大変なことになりますw

 

これも治療法としてあるので効果が持続する方がいるのかもしれませんが、僕には効果がなかったです。生理食塩水が耳管から流れ出てしまってすぐ終わりましたw

 

自分でやる場合は、鼻うがいキットを処方箋で出してもらって試してみてください。

使う水はぬるま湯くらいにした方がより刺激は少ないです。

 

それなりにコツがいりますが、苦痛は無いので試しやすいです。

 

 

薬液注入

 

ここからが情報交換の成果です。

 

ルゴール液噴霧

 

まず僕が受けたのは、ルゴールという薬液を耳管に直接噴霧するという方法です。ただしこの方法は県単位で行っているところが少ないようです。

どういうことかというと、診察に行きルゴール噴射の話をすると、この県でやってるところは無いと言われることがあるということです。僕も他県で行った耳鼻科でそう言われたことがあります。

 

ルゴールとは、風邪の時などで炎症を起こしている喉などに塗布したりするものです。

 

しかしこれを耳管内に一定量吹き付けることで逆に炎症を起こさせ耳管を閉じさせるというものです。

ルゴールはなかなかの刺激物なので、処置後は喉に流れ出てくればのどのイガイガ、鼻に流れてくれば鼻水ズルズルです。結構つらいものがありますが、これを始めて受けたときは個人的には感動するほどの効果でした。

 

炎症を起こさせるという性質上、炎症が治まれば症状は復活しますが、効いてる間は開放症を気にせず生活できました。

持続期間はうまくキマれば最長で2週間ほどです。入りがいまいちだと1週間もたない場合もあります。

処置の仕方は、大まかに耳管カテーテルというものを鼻から入れ空気を吹き込み耳管の位置を探ります。カテーテルにルゴール液を注入し再度空気を送り込み噴射します。耳管から鼓膜にかけてまんべんなく十分な量を吹き付けます。

先生の技術もさることながら、耳管の開放具合にもよりますが受ける方にもコツがあります。これらがうまくかみ合わなければ、ルゴールは液体である以上耳管から流れ出てくることもあり、それが喉や鼻に到達すると結構な刺激を感じます。

コツは、耳管を「耳抜き」を鼻をつまんでフン!とするような空気の力を使わず、耳管周辺の筋力で開かせることです。これを噴射のタイミングと合わせればうまく受け入れることができます。飛行機に乗るCAさんは割とできるそうです。これをして鼓膜がポコポコ鳴ってれば成功です。この方法で受ければ、ルゴールの量が多くても耳管内に収めて流れ出てくることも少なくなります。

   

スコープのある耳鼻科では耳管の位置の特定は楽です。

 

 

ルゴールジェル

 

ルゴールにジェルがあったとは。

先ほどは液体を噴射しましたが、これは耳管内にジェルを注入し噴射するというよりは入り口にそっと置く感覚だそうです。

注入した後は薬液を浸透させるために横になり時間をおきます。ジェルなら流れ出てきにくいし浸透具合も液体より高く負担は少ないということだそうです。

効果は1週間前後で、効き方に関しては聞くところによると少し物足りないらいしいです。

液体のようにまんべんなく行き渡らせるというよりは、置いた場所から波状に炎症を広げる感覚でしょうか、中心は効きが強くジェルから遠いところは効きが弱いなど効果は部分的なのかもしれません。その人その人により効いてほしいポイントが違うのであれば効果は人によってまちまちになりそうです。

 

 

ルゴール液を綿棒で塗布

 

これはそのままルゴールを綿棒で塗るようです。

これに関しても塗ることができるのは耳管の入り口付近だそうです。この方は効果が実感できたそうです。

しかしながら塗布できるのは耳管の入り口周辺らしいので、効き方に関して部分的であるとの実感もあり、一応軽快を感じながらも今ひとつ満足感が得られないと言った感想を言われていました。

 

効果は塞がっている入り口付近と塞がっていない奥側で差が生まれます。お話を聞いていると、耳管内に水が溜まっているような感覚があると。何もしなくても次の日には元に戻ったそうですが、効いていない奥側は空気だまりができやすいためそれを感じたのではないかと勝手に解釈しました。

 

ルゴール液噴霧の場合も効けば空気は入りにくいですが、入ってしまったら逆に出にくくなってしまいます。その残った空気が異物感になったりします。

 

 

ベゾルト噴射

 

ルゴールと同じような効果を狙った薬液のようです。

 

 

手術

鼓膜の切開

 

これは、開放したときの勢いが強く鼓膜に負担があるときや、耳管内に入った空気が抜けてこないというときに行うものだそうです。

 

鼓膜を切開すると耳から息が吐けますw

反対に耳から息を吸うとクラクラするのでやらない方が良いですねww

 

 

耳管ピン挿入

 

これは耳管ピンというものを鼓膜を切開し挿入します。開いている耳管に挿入することで隙間を無くすようにするものです。ピンには大中小があります。

 

手順は、

耳から麻酔液を流し込みそこへ電気を流ししばらく待ちます。

鼓膜を切開し、耳管ピンを挿入します。

切開した鼓膜は自然治癒に任せます。

 

僕ははじめに中を入れましたが、効果がなかったので大を入れ直しました。しかし効果はありませんでした。

入れた当初は中の時も大の時もしゃっくりすると耳管がピンに押し付けられて中耳炎のような痛みが一瞬走るようになりましたが、しばらくすると痛まなくなりました。

 

大のピンを入れ直すときに先に入れたはずの中のピンが無くなっていたので抜けてしまったようですね。大も同じく抜けてなくなっていました。

抜けてしまったので痛まなくなったのかもしれません。

 

 

処置の効果

 

個人的にはルゴール液の噴霧が一番効果がありました。

同じルゴールでもジェル注入や塗布を経験した方の話を聞くとマシにはなるけど効きには物足りなさを感じるようです。

たぶんルゴール噴霧がうまくいかなかった時の中途半端な効きの時と似ているんだろうと思います。

 

患者の負担はジェル注入や塗布の方が少ないようですが、やはり効きが満足に出てくれないとやる意味は半減です。

もちろん人それぞれ症状の強弱や出方によってはルゴールを使わなくても回復することもあるでしょうし、ジェルや塗布でも十分な効果が出る方もいるでしょう。

 

僕の場合はいろいろ試した結果ルゴール液の噴霧が一番効果的でした。しかし、これをやってくれる耳鼻科が少なそうというのは意外でした。

たまたま他県に出ていた時に処置が必要になり耳鼻科を探して行った時、この県でその処置をやっているところがないと言われましたが、いつもやっている手順を説明しながらやってもらえましたので、やったことないけどやってくれるかどうか一度聞いてみるのも良いですね。

 

 

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おわりに

 

耳管開放症はマイナーな症状ですが、14,5年前は手術が保険適用外でしたが今は適用されます。

処置の仕方も増えてきたようで少しずつ認知されてきていますね。費用は30数万円だったので当時やらなくてよかったw

保険適用後僕がやった時は1万円ほどだったと思います。

 

はじめてこの症状になった16年前に最初に行った耳鼻科では開放症の診断はしてくれませんでしたし、違うところでは逆に狭窄症と診断され意味のない治療をされていました。

開放症と診断してくれた先生が初回でルゴール液の噴霧をしてくれたことは僕にとっては幸運でした。

長年通い続けましたが、炎症を繰り返し起こさせても耳管自体に妙な傷や痕が残ることはありませんでした。これはスコープで確認してもらってわかりました。

 

実は1年ちょっと前にきっかけがわからずに症状が出にくくなりました。

体重が増えたわけではありませんが耳管の肉厚が増えたのか、日常的な血流量が増えたのか、なにか他の理由があるのかわかりませんが、僕にとっては喜ばしいことです。

 

十数年の経験を羅列しただけですが、耳管開放症で悩む方の一助になれば幸いです。

 

 

以下は質問者さんとのやり取りがある記事です。

 

 

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