はじめに
2019年、年金だけでは老後2千万円足りないという報告が金融庁からされました。
でも麻生財務大臣には受け取り拒否されました(笑)
100年安心というキャッチフレーズで2004年に年金改革が行われたのに、全然安心できないことになってきています。
この発表があってから、若い世代がデモ行進を行うまでに問題が発展しました。
2千万円の数字の根拠
調査の対象は、高齢の夫婦でどちらも仕事をしていない無職の世帯です。
収入から支出を引いたとき、平均でどうやら5.5万円の赤字になるらしい。
それが、65歳から95歳までの30年続くとしたら約2千万円足りないですよね?と、言うことだそうです。
なかなかの大雑把な算出方法
ここで注目なのは「平均」というところです。
この平均とは、高収入の人が大金を使うのと、低収入の人が切り詰めてお金を使うのとを一緒にしてまとめて計算したものです。
たとえば、
月収50万円の人が月に33万円使いました。
月収20万円の人が月に18万円使いました。
この平均を取ると、(33万+18万)÷2=25万5千となります。
月収50万円の人は月収の約半分で済みますが、月収20万円の人は5万5千円オーバーしています。
5万5千円、つまり5.5万円の赤字です。
その結果が、毎月5.5万円の赤字×12か月×30年=1980万円が年金以外に必要ということになりました。
普通、支出は自分の収入の中に収めようとします。
これが月収20万円の人が対象の調査で、
月に18万円使った人と17万円使った人の平均は17万5千円と赤字にはなりません。
仮に月収50万円の人でも月の出費が20万円を超えなければ、月収20万円の人と平均を取っても赤字にはなりません。
このような大雑把な算出をしたのにはどんな意図があったのか?
金融庁の狙い
実は
この発表は、年金だけでは生活できませんよ?ちゃんと貯めておいてください!というような国民に対して警鐘を鳴らしたわけではないようなのです。
投資の促し
金融庁が管轄する銀行や証券業は、今や金利は微々たるものでなかなか商売として成り立たないとし、代わりに投資を盛り上げ活性化させることを宣伝したかったという狙いがあったそうです。
経済を回すためにここを盛り上げ、投資を促すことで老後の生活を豊かにしよう!という宣伝を金融庁が大々的に行ったのです。
思惑が外れる
宣伝をするうえで、
老後のお金心配ではないですか?
↓
年金以外に2千万円必要です!
↓
投資をして豊かな老後を送りましょう!!
こういう流れだったんでしょうか?
そういうことなら「投資をしてがんばって2000万円作ろう!」とお金を持っている人たちが投資を行い、お金が回ることで金融業界の活性化を狙ったのに、そこで
老後が安心というから年金を収めてきたのに話が違うじゃないか!!
ということで、投資を促したい狙いから大きく外れ、投資の話まで理解してもらうことができずに
「年金を収めているのにそれ以外に2千万円必要とはどういうことだ」
「ただでさえ少子高齢化で若い世代の背負う負担が大きくなってきているのに、自分たちの老後の頃には納めた分もらえないんじゃないか」
と年金に対して不信感を持っている特に若年層の間でデモが起きてしまいました。
年金とは
そもそも
そもそも年金とはなにか。
ここでいう年金とは「公的年金」のことです。
公的があるということは私的もあります。
- 公的年金、、、国民年金や厚生年金
- 私的年金、、、年金基金や年金保険、企業年金、iDeCo(イデコ)など
公的年金の加入条件は
- 国民年金、、、自営業か会社員
- 厚生年金、、、会社員
であることで、厚生年金の方が個人と会社とが折半してより多く年金を納めているので、もらえる額は国民年金よりも多くなります。
一般的に年金とはこの公的年金のことで、2千万円不足するとはこの「公的年金だけでは」という話になっています。
ジャンル
年金とは、納めることで老後納めた分のお金をもらえるといういわゆる「積み立て」をイメージするかもしれませんが、実は積み立てではありません。
積み立てよりむしろ「保険」という方が近いです。
保険に近いとは
保険とは、みんなでお金を出し合い、貯めて、「リスク」を被ってしまった人にそのお金を当てようというもので、将来自分にも起こりえるかもしれない「リスク」に備えて参加しておくものです。
生命保険なら将来病気やケガ、働けなくなった時、死亡してしまった時の家族のために残すお金など、それらをリスクと考え本来大金のかかるところを保険で賄えるようにしたものです。
自動車保険なら事故にあった、事故を起こした、車を傷つけた時など、それらをリスクと考え、相手に対する保障や車の修理費など本来大金のかかるところを保険で賄えるようにしたものです。
では、年金が保険に近いとはいったい何の「リスク」に備えたものなのか。
それは、「長生き」です。
リスク
長生きがリスクとはどういうことでしょう。
何か長生きすることが悪いことのように聞こえますがそうではありません。
人は自分の生き死にをコントロールすることはできません。
厚生労働省調べで、戦後昭和22年の平均寿命は、男性50.06歳、女性53.96歳です。(沖縄県は除く)
平成29年の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳と30年以上延びていて(沖縄県を含む)
人生100年時代とも言われている今日ではそうとう寿命が延びていることがわかります。
この平均は、小さい子供の時や生まれてすぐに死んでしまった子たちも含まれているので、60歳を超えている人は100歳まで生きる確率は高いそうです。
もしも人生設計において、自分は80歳で人生を終える予定でお金を使っていき、80歳を超えても健康そのものでまだまだ長生きしそうだとしたら。
100歳まで計画してたとして、100歳をも超えてしまったとしたら。
長生きをすることで経済的な予測が立てづらくなる、年金ではこれを「リスク」と捉えています。
長生きすることが悪いのではなく、想定以上に長生きすることによって思わぬ貧困を被ることをみんなで防ぐという「防貧」のために、将来の生活に「保険」をかけておきましょうというのが年金の考え方です。
日々の生活は年金で足りるのか
困った時の保険であるなら、実際お金が無くなった時、自分は年金だけで十分暮らしていけるのか。
これは必ずしもそうではないというのが年金の難しいところだそうです。
それは年金を納めているその人の状況によります。
自営業か会社員、既婚か未婚、家族がいるかいないか、納めた年数、住んでいる場所、給料、税金、などなどにより、納めた人にはこれだけ渡します!とは一概に言えません。
1人1人その人の状況から将来性を加味しないといけないところに年金の難しさがあります。
ちなみに、年金未納の人がいるのに財源は確保できているのかということですが、未納の人には年金は支払われないので言うほど問題ではないそうです。
少子高齢化で若者の負担が大きすぎるという問題も、マクロ経済スライドという仕組みによって2004年ごろから解決の糸口を見出しているそうです。
これについては、厚生労働省のホームページで解説されています。
マクロ経済スライドの解説←←←新しいタブで開きます。
年金を必要とするかは個人次第
自分は年金を納めているのだから、老後はきっちり年金をもらいたい!
そう思うのは普通かもわかりませんが、年金は「保険」ということが理解できているかどうかでその考え方は変わります。
例えば、自動車保険で毎月保険料を払っているのだから、払った分はもらいたいと自分から事故を起こそうとは思いません。
事故を起こさなかったとして保険料を1回ももらわなかったとしても損したとは思いません。
むしろ保険を使うようなことが起こらなくてラッキーと思うでしょう。
生命保険で毎月保険料を払っているのだから、払った分はもらいたいと自ら病気になりにいったり、大けがをしようとは思いません。
むしろ保険を使うような事態にならないことを望むでしょう。
お金をたくさん持っている人は、きっと年金をあてにしようとは思っていないでしょう。
無くてもお金は十分あるから(笑)
それと同じように年金を「保険」と捉えるなら、それを使わなくていいように自分で老後の資産を形成できるようにするのがひとつの理想です。
そのための金融庁の投資を促す「老後は2千万円足りない」というどうしようもない報告に繋がったのでしょう。
年金の受け取り方
いつ受け取れるのか
年金を受け取らなくていいくらいに充実した資産を手にできればいいですが、とは言っても、もらえるものはもらいたいというのが性でもあります(笑)
年金を受け取ることができる年齢は、一般的な定年を迎える年齢の60歳~70歳の間で自分で選ぶことができます。
どうしてももらわないと仕方がない事情があるなら別ですが、ここで60歳になってすぐさまもらい始めるのはもったいないということがあります。
繰り下げ受給
定年とはだいたい60歳くらいというイメージですよね?
仕事を修めて引退し、これから年金で悠々と暮らそう!という時期ですが、人生100年時代に入り、60歳で引退してもあと40年あります。
繰り下げ受給とは、60歳から始められる年金受給を最大70歳まで遅らせるというものです。
遅らせることでどんなことがあるのかというと、遅らせるほどに受給額が上がるというのです。
60歳でもらい始めるのと比べて、70歳からもらえる額は42%増額されます。
そしてその額は一生変わりません。
60歳からもらい始めて少ない額を一生もらい続けるのと、70歳からもらい始めて42%増えた額をもらい続けるのと。
繰り下げ受給とは単純に遅らせるということではなく、もらえる額を選べるということに強みがあります。
シミュレーション
例えば計算しやすいように、
60歳からの受給で毎月10万円もらえます。
70歳からの受給で毎月42%アップの14万2千円もらえます。
誕生日が同じ同い年の2人が100歳まで生きたときの総受給額は
Aさん60歳から受給、、、10万円×12か月×40年=4800万円
Bさん70歳から受給、、14万2千円×12か月×30年=5112万円
と、最終的に312万円Bさんの方が多くなります。
月にしても4万2千円多いのは大きいです。
60歳受給開始の33年10ヶ月で4060万円
70歳受給開始の23年10ヶ月で4061万2千円
両名93歳と10ヶ月の時点でBさんがAさんを上回りました。
あとは差が開く一方ですww
このように人生100年計画を立て、すぐさま年金をもらわなければならない理由がなければ、遅らせるということも選択肢のひとつです。
もらう前に死んでしまったら?
貯めて貯めて70歳手前で人生を終えてしまったら損ではないのか?
思い出してほしいのは、年金とは「長生きをすることによって生まれるリスク」に対する保険です。
生きているとき、年金を使うまでもなく自分の資産で十分生活できるというのが理想で、そしていよいよどうしようもなくなった時に利用するのが年金です。
免許を取り、自動車保険に入ってやがて免許を返納するとき、「保険を使うようなことにならなくてよかったね☆」と同じように、自分が思ってるより長生きすることによって生活が苦しくなった時のための「保険」だから、
保険を使うようなことにならなくてよかったね!
=年金を使うような貧困にならなくてよかったね!
が、年金の解釈です。
資産運用
とはいえ、60歳でもらうのを我慢すれば最終的にもらえる額が増えるのはわかりましたが、今のままでは60歳になった時、我慢したくてもできない経済的理由があればどうしたらいいのか。
それは転職や副業で経験を積み、出来るだけ長く働いていられるような環境を作っていくというのがひとつと、あとは私的年金、金融庁がすすめたかった投資を行うがひとつです。
投資とは
投資というと何かギャンブル性があるのではと敬遠しがちですが、一発逆転みたいな投機とは考え方が違います。
資産運用には主に3つの方法があります。
貯蓄
お金を蓄えるということで、みんなしてるであろうお金を銀行に預けるなどすることです。
昔は銀行にお金を預けると7年ほどでお金が倍になるみたいな時代もあったそうですww
投機
相場の変動を利用して利益を得ようとするもので長期的に保有するものではなく、株価が高騰しているときに売却して利益を得るのが目的です。
パソコンから目を離すのが怖くなりそうですねww
投資
将来有望な投資先に長期的に資産を投じるということで、短期決戦的に行う投機とは全然違うものです。
私的年金
前述した、年金基金や年金保険、企業年金、iDeCoなどが私的年金です。
これこそ、積み立てや投資ということになります。
国民年金基金
投資のひとつで、決められた額を納め積み立てるのですが、積立金の運用については基金側に任せます。
そして、一定の値に達したらその額が一生もらえるというシステムです。
これは、国民年金に厚生年金が上乗せされる会社員と自営業者の所得の差を解消するために、自営業者の強い求めによって創設されたものです。
国民年金基金について←←←新しいタブで開きます。
年金保険
生命保険会社が行っているもので、決められた期間一定額を納め続けると、ある年齢からお金を受け取ることができるものです。
生命保険には、終身保険で資産運用する方法もあります。
最初に一定額をドン!と払い、早期解約すると元金を下回りますが、一定期間が過ぎると経った年数によって払い戻し額が増えていくというものです。
銀行に預けて利子が付くという感覚でしょうか。
もちろんその間に死亡してしまうと、受け取り人に死亡したときの保険料が支払われます。
企業年金
企業年金とは、退職金を分割して支払うというものです。
会社にとって退職金を1度に支払うのはなかなか体力のいることです。
しかし、分割して払っても最終的に受け取る額が同じならもらう側にメリットはありません。
そこで分割して支払う代わりに、そこに利子をつけようということから企業年金が始まりました。
会社としては1度に払わずに済みますし、もらう側は利子の付いたより多くの退職金を年金という形で毎月受け取ることができます。
まとめて受け取って金銭感覚崩壊するより安定的でいいですね(笑)
iDeCo(イデコ)
年金基金と似ていますが、iDeCoは自分で投資先を選べます。
毎月一定の金額を出して、その掛け金で投資信託や保険などの金融商品を選んで運用し、60歳以降に運用した資産を受け取るというシステムです。
元金を上回ることも下回ることもあり、メリットとしては税金の優遇です。
小額投資
NISA(ニーサ)
小額投資非課税制度という意味で、読んで字のごとく、小額で始められる投資で、しかも通常配当金や値上がり益に対しては20.315%の税金がかかりますが、NISAでは年間120万円までは非課税ですよというものです。
私的年金と小額投資の違い
私的年金は、ある一定年齢に達しないとお金をもらうことはできません。
小額投資はいつでも引き出すことができます。
投資のハードルを下げる
小額から始められるためリスクは少なかったり、投資先を選んでくれたり、税金の優遇があったりと、投資は難しいというイメージを変え、始めやすくするためにハードルを下げていって、多様な資産運用があることを国民に知ってもらうためにあれこれ画策していたようですね。
始めるかどうかは個人次第ですが、まず知らないと選択肢に入れることすらできません。
これらの運用法を上手に活用していけば、将来に対する不安も少しは解消していけるのではないでしょうか。
ある意味この年金、これは国の資産運用なのかもしれません。
平成21年度末時点で年金積立金の運用寄託金は121兆円にも登ります。(財務省ホームページより)
年金の給付があるのでこれを直ちに国の借金に充てることはできませんが、国民が上手に資産運用をできるようにサポートし、長生きリスクのための保険である年金を少しでも使わないで済むようにできれば、より多くの資産として残りますからね。
もしかしたらそんな思惑もあるのかな?
儲けるために行わない
資産運用は、儲けるために行うものと、リスクを分散させるために行うものとがあります。
今回の資産運用とは、老後普通に生活するための話なので必要以上に欲を出してしまうとそれこそがリスクとなりえます。
投資のことはよくわからないけど、やるなら設けないとイヤだ!みたいなことでは失敗した時のリスクが恐ろしいですね、、
リスクの分散とは、持ってるお金をひとつのものに充ててしまうと、それがダメになった時はすべてダメになってしまいます。
自分の資産をいくつかに分けておくことで全体としての資産を守るというのが今回の資産運用の方法です。
貯蓄に関しても、1つの銀行に全財産を預けてしまうとそこが潰れたときにはすべてが終わりますww
2つの銀行に分けておけば半分は助かります。
リスクの分散とはそういうことです。
iDeCoやNISAなど、税金の優遇を受けながらローリターンだけどローリスクの資産運用を覚えると上手に老後の資産を形成できるのではないでしょうか。
おわりに
年金は積み立て貯蓄ではなく保険である。
保険とは最終手段ですから、最悪なことが起こらない限りは使うものではありません。
かと言ってもらえるものをもらわないのはもったいないのも事実なので、なるべく繰り下げていけるような資産形成をしていくことが年金との付き合い方のように思います。
老後公的年金では、2千万円足りないというのはかなりいい加減な数字だというのはわかりましたが、働き方、資産運用を上手に行って豊かで穏やかな老後を過ごせるようにしていきたいですね。
僕も投資のこともっと調べてみようかな(笑)